対気速度、対地速度

対気速度は、機体と空気の相対速度である。 (対地速度は、機体と地表面に対する相対的な水平速度である。)

対気速度計の仕組み

対気速度計はロータリエンコーダの出力信号を計測している。

機体の進行により機体と空気との相対速度が生まれ、ロータリエンコーダに取り付けられたプロペラが回転する。ロータリエンコーダはOMS-100-2-Tを使った。

ロータリエンコーダが1回転することにより100個のパルスが正弦波として出力される。1秒間に出力される正弦波の個数(=周波数)と風速との値を対応させることにより、対気速度を算出している。

ソフトウェア

マイコンはPIC12F1822を採用した。12F1822は8pinの小型マイコンでありながらI2C(2012年度ロガーとの通信はI2Cを用いた)などマイコンの最低限の機能を載せているため非常に使い勝手がよく、1個あたり80円という価格の低さも魅力的である。

  • 計測方法 直接係数方式を用いた。一定時間t[s]に波がn個計測された場合、周波数はn/tとして表される。
  • プログラムの流れ 先述の直接係数方式を実現するために、PICのTimer機能を用いた。Timer2はクロック入力を内部に設定し、1[ms]が経過する度に割り込み関数を呼び出している。 割り込み関数はTimer2が1000回呼び出される、つまり1[s]が経過するまでTimer1のゲートをONにし、1000回呼び出されるとTimer1のゲートをOFFにしている。Timer1はクロック入力を外部(ロータリエンコーダの出力)にし、ゲートがONにされている間にオーバーフローした回数に2^16(=65536)をかけることで周波数を出力している。

ハードウェア

ロータリエンコーダが出力する信号は正弦波である。マイコンは電圧の値で入力を検知(例:5[V]→1/ON 0[V]→0/OFF)出来るが、ロータリエンコーダの出力する正弦波はある電圧(0[V]以上)を中心として振幅するものであったため、このままでは計測することが出来ない。そのためにオペアンプのコンパレータ回路を使った。

コンパレータ回路とは、ある電圧より上なら1(ON)を出力、下なら0(OFF)を出力する回路である。出力される正弦波の振幅中心を基準電圧として、コンパレータ回路を組むことで目的を達することが出来る。

出力信号が理想的な正弦波であればこれで良いのだが、実際は多少波がギザギザするため、基準電圧付近で実際に欲しい値より多くの信号を計測してしまう。これはヒステリシスを設けることによって解決できる。ヒステリシスとは基準電圧の幅(今回は振幅中心から0.1[V])のことである。ヒステリシスのついたコンパレータ回路のことをコンパレータヒステリシス回路という。

問題点、改善点

昨年はPIC16F88を用いて対気速度計を作っていたが、pinの数も多いおかげでオペアンプを用いることなくPICでA/D変換をすることで正弦波の問題を解決していた。PIC12F1822でもpin数を考えればオペアンプを用いずに作れるかもしれないが、チップ抵抗器などを使わなかったこともあり、結果として昨年のものよりも大きくなってしまった。

今年は直接係数方式を用いたが、レシプロカル形式(パルスの立ち上がりから立ち下がりまでの時間を計測し、その平均を用いる)も実験してみるべきだと思う。

周波数と風速の対応式を算出するための実験(風洞実験)について、今年は研究室の好意により風洞を使わせて頂いたが、これが来年、再来年と使わせてもらえるかどうかは疑問である。去年はブロワーを用いて風洞実験を行ったが、出てくる風が不安定であったため非常に面倒であったらしい。研究室の風洞を借りることなしに部室の設備だけで風洞実験が行えると良いだろう。


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Last-modified: 2013-05-29 (水) 02:55:51 (1965d)